閉塞性無精子症(OA)

どんな病態なの?

閉塞性無精子症(OA)は、精巣内では精子がつくられているけれども、精管が閉塞しているために射出精液中には精子がまったく出てこない状態です。

無精子症のうち、閉塞性無精子症は15~20%、非閉塞性無精子症は80~85%です。

避妊目的でのパイプカットを行ったものの再婚などで挙児希望となったケースも、この閉塞性無精子症に該当します。

また、鼠蹊ヘルニアの手術によって精管閉塞を起こしている場合、手術を受けたのが幼少期ですと、ご本人の記憶に残っていないケースもあるようです。

精巣の大きさに問題がなくホルモン検査では下垂体から分泌されるゴナドトロピン(FSHやLH)の値が正常値で、精管に閉塞箇所が認められれば、ほぼ閉塞性無精子症と診断できます。

ただし、ゴナドトロピン値が正常でも、ごくまれにY染色体の特定部位の微小欠失により、精巣内での精子の形成が途中で止まってしまっている精子の成熟停止(非閉塞性無精子症)のケースが含まれています(泌尿器科で閉塞性無精子症と診断された症例の約1割程度)ので、精路再建手術や精子回収法を行う場合には術前に十分な説明を受ける必要があります。

妊娠するためには、どんな方法があるの?

【閉塞箇所を再吻合する精路再建手術で自然妊娠を目指します】
精路再建手術は、顕微鏡下に精管閉塞部を再吻合する精管精管吻合術が中心です。

強く自然妊娠を希望されていて、女性側に妊娠の妨げになりそうな問題がまったく見つかっていない場合、さらに女性に年齢的な余裕がある場合には検討されてみてもよいでしょう。

パイプカット後の再開通率は、80~90%と高く、自然妊娠率も50~60%と期待できます。

一方、精管上体精管吻合術は難しいとされる手術で、再開通率40~70%は、術後の自然妊娠率も30~50%程度とあまり高くありません。

精子が成熟停止となっていないことを確認する目的で精巣生検を行い、精子が見つかったら凍結保存したうえで精路再建手術をお受けになることをおすすめします。

【精巣もしくは精巣上体の精子を回収して顕微授精を行います】
精子回収法を使って、精巣内や精巣上体から精子を採取し、顕微授精(ICSI)を行います。

1個でも生きた精子が回収できれば妊娠も期待できますので、精液検査で無精子症とわかった段階で、わが子をあきらめる必要はないのです。

泌尿器科での触診やホルモン検査で閉塞性無精子症と診断されている場合には、精子の成熟停止でさえなければ精巣内もしくは精巣上体から精子が回収できます。

情報更新日:2021年12月9日


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