泌尿器科での男性不妊検査

~産婦人科の精液検査で男性不妊がみつかったら~

避妊をせずに夫婦生活(性交)の機会を持ち続けているにもかかわらず、1年以上赤ちゃんができていない状態を『不妊症』といいます。

早い妊娠を希望されるのであれば、まずは夫婦で不妊治療を得意とする産婦人科で基本的不妊検査を受けてみましょう。

精液検査の結果が思わしくなかった場合は、数回受けてみてください。

結果が常に悪い場合には、『男性不妊』と診断されます。

一般的には、そのまま産婦人科で奥さまに対して妊娠を後押しする治療をスタートさせるケースが大半です。

これは、男性不妊の大半が根本的な治療が難しいためですが、泌尿器科の男性不妊外来でさらにくわしい検査を受けてみて、ご主人に対してできる治療がないか探る道もあります。

1. 精液検査
最初から、泌尿器科(男性不妊外来)で精液検査を受けることもできますが、奥さまと一緒に基本的不妊検査の一環として婦人科で受けられるケースのほうが多いでしょう。

精子は約3カ月間かけてつくられていますので、もしも一度目の検査結果が悪かった場合には1~3週間間隔をあけ数回再検査を受けてみてください。

常に精液所見が悪い場合には、男性不妊(『乏精子症』、『精子無力症』、『奇形精子症』、『無精子症』など)と診断されます。

2. 視診&触診
精巣(睾丸)の有無、位置、大きさ、硬さ、また精巣上体の有無、大きさ、さらに精索静脈瘤の有無、鼠径ヘルニアなどの腹部手術跡の有無、尿道下裂や乳房などの女性化がないかをみます。

また、直腸診により前立腺の大きさや圧痛の有無も確認します。

3. 尿検査
採尿して、尿糖や尿たんぱくが出ていないかを調べます。

また、白血球や赤血球の数をカウントして、尿道や膀胱、前立腺などに炎症がないかどうかを検査します。

4. ホルモン検査
血液検査で、FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)、PRL(プロラクチン・乳汁分泌ホルモン)、テストステロン(男性ホルモン)などのホルモン値を調べることで、脳下垂体や精巣の機能がわかります。

5. 陰嚢部超音波検査
陰嚢部に超音波プローブを当てて、精巣の大きさや精索静脈瘤の有無、陰嚢水腫の有無などを調べます。

痛みはありませんので、安心して受診してください。

6. 抗精子抗体検査
男性でもパイプカットや精巣にダメージを受けた経験のある方の中には、抗精子抗体を持っている方がいます。

精液中の抗体を検出する方法と、採血を行い、その血清と精子を一緒にして運動率を調べる精子不動化試験があります。

7. 染色体分染法
無精子症や重度乏精子症と診断された方には、性染色体の数に異常がある場合があります。

もっとも多いのが、常染色体は22組44本と正常ですが、性染色体の組み合わせが男性では本来X1本、Y1本でXYのところ、XXYと異常なクラインフェルター症候群(47, XXY)です。

8. Y染色体の遺伝子検査
無精子症や重度乏精子症と診断された方に、Y染色体の微小欠失が見つかることがあります。

その欠失の部位によって、予め精巣精子採取術(TESE/テセ)で精子を回収できる可能性を探ることができます。

9. 尿中精子検査
射精した感覚がありながら、精液が射出されない、もしくは非常に少量の場合には、膀胱に精液が逆流している可能性があります。

マスターベーションで射精の感覚を得たあと採尿し、精子が含まれている場合には逆行性射精と診断されます。

10. 精管精嚢造影
血液検査や超音波検査の結果から閉塞性無精子症(OA)が疑われるケースで、精路再建手術の希望がある場合に、閉塞箇所を調べる目的で行います。

麻酔をかけ、陰嚢の皮膚を切開して精管内にやわらかいチューブを挿入。

造影剤を注入して、レントゲン撮影を実施します。

11. HOSテスト
精液検査で射出精子が動いていない場合、その生死を確認するために行います。

生存しているものが見つかれば、その精子を用いて顕微授精を行うことができます。

情報更新日:2021年12月9日


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