1年赤ちゃんができなければ、基本的不妊検査を受けてみましょう

『不妊』は病名ではありません。「避妊をせずに夫婦生活(性交)を持っていながら、1年間、赤ちゃんができていない状態」をいいます。

統計的にみると避妊していないご夫婦の場合、半年で6割、1年間で8割、2年間で9割のカップルが妊娠しています。日本では結婚年齢が高齢化していますので、1年経っても赤ちゃんができなければ、妊娠を妨げる原因が何かしらありそうだということを意識して、早めに不妊検査を受けてみてください。原因がわかれば、ちょっとしたアシストで妊娠されるケースもあります。ここでは、妊娠しにくい原因を探るスクリーニング検査をご紹介しておきましょう。

妊娠が成立するまでの奇跡的な道のりについては、ぜひ『妊娠のプロセス』のページをお読みください。不妊のスクリーニング検査(基本的不妊検査)は、妊娠にいたるための大事なプロセスで問題が起こっていないかを調べるものです。

どの夫婦も、不妊検査では見つけられない不妊原因を抱えている可能性があります

最初に知っておいていただかなくてはならないことがあります。基本的不妊検査では、夫婦どちらとも、これといった原因が見つからなかった方がいるかも知れません。ただ、それは“どこも悪いところがない”のではなく、“検査では見つけられないところに、何かしらできにくい問題があるのだ”と受け止めるべきでしょう。不妊検査で発見できる問題は、本当に決定的なものだけなのです。ですから、すでにいくつかの不妊原因を指摘されたご夫婦も、まだ見つかっていない原因があるかもしれないととらえておいたほうが、治療を進めていくうえでの選択を誤らないでしょう。

1. 基礎体温表

卵胞が成長して排卵が起こり、卵巣内に黄体ができると女性の基礎体温は0.3 度以上、上昇します。黄体の寿命は2週間ですので、その間(黄体が正常に機能していれば11日~14日間)は高温相となります。つまり、基礎体温が2相性になっていれば、ほぼ排卵が起こっていると考えてもいいということなのです

2. ホルモン検査

月経周期3日~5日に血中ホルモンの基礎値をみることで、卵巣機能の状態や排卵障害の原因を探ります。また、高温相中期に行う血中ホルモンの検査では、排卵の有無や黄体機能を調べます

3. 子宮卵管造影検査(HSG)

子宮内にヨード造影剤を注入し、レントゲン画像を撮影することで、子宮内腔の形態や卵管の通過性を検査します

4. 超音波検査

経腟超音波によって、子宮の形態や卵巣内に問題がないかどうか、子宮内に着床を妨げる異物(子宮内膜ポリープや子宮筋腫など)がないかどうか、卵胞は順調に成長しているかどうかを調べます

5. 精液検査

4、5日間の禁欲後(これ以上、間隔をあけると、精液中に古い精子が増え運動率が低下します)、マスターベーションで専用容器に採取した精液の状態(精子濃度、運動率、奇形率、精液量、白血球の有無など)を調べ、妊孕力を評価します

6. フーナーテスト(性交後試験)

排卵期の夫婦生活の翌日、子宮頸管内の粘液を採取します。顕微鏡下で、中に侵入している精子の数や動きなどを観察します。頸管粘液は、排卵後、急速に分泌量が減り性質が変わります。数回フーナーテストを受けてみて、1度でも良好であればご心配ないでしょう

7. クラミジア検査

卵管の通過障害の最大の原因といわれているのが、性感染症のクラミジアです。女性は自覚症状が乏しく、気がつかないうちに卵管炎による癒着を起こしているケースも少なくありません。子宮頸管の上皮細胞の抗原検査、血液検査による抗体検査を行います

情報更新日:2021年12月9日


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