ICSIで精子1個を卵子内に注入

卵子を覆っている卵丘細胞を取り除いて、成熟度をチェック。

顕微授精を行う場合は、授精(卵子に精子を授けること)作業の下準備として、採卵した卵子を数時間ヒアルロ二ターゼ(※1)の液を用いて前培養することで、卵子を覆っているたくさんの顆粒膜細胞(卵丘細胞)を取りのぞき、観察しやすい状態にします。

さらに、インジェクションピペット(注入用の針)に卵子を数回出し入れすることで、残った顆粒膜細胞を完全に除去します(卵子の裸化)。

細胞質内精子注入法(ICSI)を行うため、第一極体(※2)が放出され、受精準備が整った成熟卵(MⅡ期の卵/第二減数分裂の段階)を選びます。

※1. ヒアルロン酸を分解する酵素。

※2. 第一減数分裂の結果、2個にわかれた核のうち、卵子の細胞質の外にはじき出されたほうの核のことで、やがて退化し消滅する。

精子の尾部に傷をつけ不動化させることで受精率がUPします。

ICSIのための精子を選別したら、尾部をインジェクションピペットの先端で押しつぶして不動化処理を行います。

この操作によって、精子が取り扱いやすくなるだけでなく、傷がついた部分から卵子を活性化させる物質が分泌され、受精率が上がるとされています。

細胞膜をやぶって、確実に精子を卵子の細胞質内に注入します。

ICSIを行う卵子の第一極体が12時か6時方向の位置にくるように、ホールディングピペットで軽く卵子を吸引しながら固定します。

通常のICSIでは、精子1個を入れたインジェクションピペットを3時から9時方向に刺し入れ、細胞質をわずかに吸う操作をすることで、細胞膜を完全にやぶります。

その後、精子を細胞質内に注入し、受精が起こることを期待します。

インジェクションピペットの先端を微細に振動させるピエゾパルスによって細胞膜をやぶってから細胞質内に精子を注入する、ピエゾICSIと呼ばれる方法もあります。

情報更新日:2021年12月9日


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