卵管狭窄・卵管閉塞

どんな症状なの?

卵管の長さは約10cm、内径は細いところで1mm程度と非常に細い管です。この精子と受精卵(胚)の通り道が、卵管炎によって癒着を起こして、閉鎖、狭窄してしまうことがあります。両側とも卵管閉鎖になると、夫婦生活や人工授精(AIH)などでの自然妊娠は望めません。

卵管炎の原因としては、骨盤内の炎症(骨盤腹膜炎、穿孔性虫垂炎、子宮内膜症、子宮外妊娠)のほか、腟内の性感染症であるクラミジアが原因菌となっているケースが少なくありません。それというのも、女性はクラミジアに感染しても、かゆみや痛みといった自覚症状が出づらいため、知らず知らずのうちに長期間感染したまま放置することとなり、子宮頸管炎から卵管炎へと感染が広がっていってしまうのです。

クラミジアへの感染経験は、血液検査で抗体の有無を調べることで簡単にわかります。万が一、陽性で治療経験がない場合には、夫婦間でのピンポン感染を避けるため、抗生物質で夫婦同時治療を行いましょう。クラミジア感染症の治療は可能ですが、炎症で閉鎖してしまった卵管を投薬治療で治すことはできません。

妊娠するためには、どんな方法があるの?

【卵管の通過性を取り戻し、自然妊娠をねらう卵管形成手術】……

卵管形成手術を行い、卵管の通過性を回復して夫婦生活やAIHで妊娠を期待する方法です。手術の方法には、顕微鏡下手術(マイクロサージャリー)、腹腔鏡(ラパロスコピー)下手術、卵管鏡下手術(FT)などの種類があります。避妊のための卵管結紮術後に卵管再建術を行った場合、通過性が回復する確率は70%、さらにその後、半数以上が妊娠しています。ところが、炎症によって閉鎖したケースでは、通過性が回復しても、妊娠率はさほど高くありません(論文によってばらつきがありますが、生児獲得率13%との報告もあります)。奥さまの年齢が30歳前後までで、術後、一般不妊治療にチャレンジする時間的余裕があり、自然に近い妊娠を強く望まれるカップルならば試してみられてもいいかもしれません。ただし、通過性回復後2年間経っても妊娠しない場合は、体外受精などのARTに進まれたほうがいいでしょう。

【両側の通過性に問題がある場合には、卵管を必要としない体外受精】……

卵管閉塞や卵管狭窄など通過性に問題がある場合でも、片側であれば、夫婦生活や一般不妊治療での妊娠を期待することができます。ただし、両側がつまっている場合には、ARTが普及した今、第一選択に体外受精(IVF)顕微授精(ICSI)を選ぶケースがほとんどになってきています。奥さまの年齢などから妊娠を急ぐ場合や、ほかにも不妊原因がある場合などには、やはりARTが望ましいでしょう。

情報更新日:2021年12月9日


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