高プロラクチン血症

どんな症状なの?

本来、産後に乳汁分泌を促すために分泌されるはずのプロラクチン(PRL/乳汁分泌ホルモン)が、異常に高い状態を高プロラクチン血症といいます。このような状況下では、卵子の発育が不全になったり、月経が不順になったりし、重症化すると無排卵になったりすることがあるといわれています。実際に、妊娠していないのもかかわらず母乳が出てくる乳漏症の症状が出ることもあります。

原因としては、向精神薬、胃潰瘍の薬、抗ヒスタミン剤、精神安定剤などの服用、下垂体にできたプロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)、流産や人工妊娠中絶後であるなどといったことが考えられますが、原因不明である場合も多くみられます。

血中プロラクチンの測定方法には3種類あるため、正常値が検査キットによって異なってきますが、いずれにしても100ng/mLを超えるような高値の場合は、プロラクチン産生腫瘍が疑われますので、MRIやCTスキャンによる画像診断で確認しましょう。

測定法 正常値

EIA法 2.7~28.8ng/mL
IRMA法 1.4~14.6ng/mL
CLIA法 4.3~32.4ng/mL

妊娠するためには、どんな方法があるの?

【まずは投薬治療で経過観察】……

プロラクチン産生腫瘍の場合を含め、まずは投薬治療を行い、プロラクチンレベルの経過を観察しながら、投与量の増量、中止を決定します。高プロラクチン血症に有効とされる薬剤としては、ブロモクリプチン製剤(パーロデル…1日1回1錠夕食後。標準薬。吐き気、食欲不振などの副作用)、テルグリド製剤(テルロン…1回1錠を1日2回。吐き気の副作用を軽減)、カルゴベリン製剤(カバサール…週1回の服用。OHSSの重症化予防にも効果があるとの報告もある)などがあります。服用中に妊娠が判明したら、投薬を中止する施設が多いと思われますが、症状によっては利益がリスクを上回るとの判断で投薬が続けられるケースもあります。

【プロラクチン産生腫瘍の経鼻的下垂体手術による切除】……

薬物療法が効かない場合には、経鼻的下垂体手術によってプロラクチン産生腫瘍そのものを切除することがあります。

情報更新日:2021年12月9日


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